PANCOの備忘録。

PCノベルゲームに関しての備忘録だと思います。

川端康成「雪国」を読んで

恥ずかしいことに、何年も歳を食う間で純文学に自ら触れることをしなかった。現代文の教科書のつまらん古文以外は全部読んだけれど、それでも途中でカットされた一部分のみ。

ただ、流石にラノベすら読むのを辞めて久しく、そろそろ漢字も忘れて一般教養も疑わしくなってきたところ、何かの縁があってか「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」の一文を思い出した。

青空文庫でタダ読みしようかと勘繰っていたが、著作権法改正の影響でしばらくお目に掛からなそうなので古本通販屋でついでに8冊、良さげなのをまとめ買いした。

そのうちの一つが「雪国」だった。

届いて封を開くと、凄く薄くて小さな本で驚いた。広げた手のひらに収まってしまう。厚みは指関節間の半分もない。そうやって暫くしてから本を読み始めた。

休憩を挟もうと時計を見ると、たかが六十ページ読むのに2時間もかけていた。時間的密度がラノベと明らかに違う。情景を浮かべて紙をめくるのに何分もかけたようだ。

ラノベが、名の通り「軽量小説」だとばかにされるのもああ無理はないなと納得してしまった。崇め奉っていた高校生の頃は一体なんだったのだろうか。